つま家秘伝男の使い方にまんまとはまっていることに気付いてもどうすることもできない件

家事分担比率100%

本日朝のこと。
むすことむすめを保育園に預け、つまを会社まで送る車中。
会社到着目前でつまが口を開きます。

つま  「検診でも受けようかな?」
わたくし「何の?」
つま  「体が大丈夫かどうか」

つまの会社の隣には比較的大きな病院。
人間ドックなども行っているわけです。
つまの会社前に車を停めてハザードを。

健康診断は大切です。
日常の生活に追われ、忘れがちな健康診断。
受診しようと思うのはいいこと。

わたくし「受診すればいいじゃない」

そう言ってから、しばらく待ってみます。
しかし、話はそれっきり。

わたくし「あれ? 終わり?」
つま  「何が? 後ろの荷物取って」

後部座席のバックを取ってつまに手渡します。

わたくし「あなたも心配だから受けてみたら? とか優しいお言葉はないの?」
つま  「あなたも、受けるか?」
わたくし「別にいいですよ。僕が死んだら家のローンなくなりますので」

つまがまじまじとわたくしを見つめます。
おっ、久しぶりにロマンス発動か。

つま  「そんなこと言わないで」

おっ。

つま  「わたし、掃除したくない」
わたくし「………」

バタン
日本製大衆車の安っぽいドアを閉める音。
後ろ姿が遠ざかり、会社に消えていったつま。
残されたわたくし。

遠くを見つめてから、タバコに火をつけます。
するすると外に吸い出されていく煙。
気を取り直します。

そしてここ数ヶ月の帰宅後の行動を振り返ってみます。

帰宅後、週に何回か夕食を作るわたくし。
夕食後、食洗機に食器を並べ、洗剤を投入、スタートのスイッチを押すわたくし。
その後、一合半のお米をとぎ、タイマーをあわせ炊飯のスイッチを押すわたくし。
その後、朝に洗濯して、洗濯機に放置された洗濯物をぱんぱんするわたくし。
さらに、むすめの汚れ物を洗濯機にぶち込み、スタートのスイッチを押すわたくし。
さらに、むすめを抱き、ゆらゆらして寝かしつけるわたくし。
最後に、むすめのきれいになった洗濯物をぱんぱんするわたくし。

確かに。
いつからこうなったのだろう?
いやなぜこうなったのだろう?

最近のつまの口癖を思い出します。

つま  「最近、あなた、我的爺(わたしのお父さん)に似てきたね」

最近、ちょっと体重が増えていたわたくし。
つまの父は恰幅がよく、てっきりそのことかと思っていたのですが、彼女が言いたかったのにはおそらく続きがあって………。

つま  「最近、あなた、我的爺(わたしのお父さん)に似てきたね。家の家事全部してるところがな。くくく」

こんなところなのでしょう。

皿洗いやコインランドリーでの洗濯。
ゆったりと歩きながら黙々と家事をこなすお義父さんを思い出します。
つま家女性陣(お義母さん、お義姉さん、つま)に受け継がれてきた、『つま家秘伝・男の使い方』にまんまとはまっているような気がしてきたわたくし。

わたくし「ちがうちがう、ちぃがう、そぉじゃなぁい」

口ずさむ歌謡曲。
悲しさが止まらない。

今日は、ちょっと疲れたフリをして、様子を見てみようと思います。

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