年に一度の一大イベント。
白ひげのおっさんがカモフラージュしてやってくるあの日。
ルドルフはもちろん空を飛べるはずもなく。
わたくしはというとウーシャンフェンで空を飛び。
わが家にも様々なイベントが。
前述したクリスマスや誕生日はもちろんのこと、つまと子どもたちが何かもらえる日はすべてイベントというわが家。
そんな今年の誕生日のこと。
わたくしとつまの誕生日、非常に近いのです。
二度ケーキが食べられるという理由で、いっしょにやったりはしません。
わたくしの誕生日の同月の数日後につまの誕生日が。
その昔、毎年恐怖の日でしなかったつまの誕生日。
考えに考え抜いたプレゼントがほぼよろこばれないという現実。
つま 「これいくらしたの?」
これが台湾人女性のおっかないところ。これが普通ではないことを祈るばかり。
ですが年月が過ぎ、欲しいものを聞いても、サプライズが大事なんていうこともいつのまにかなくなり、欲しいものを自分で見つけてくるように。
欲しいものを聞いて、わたくしが買いに行くこと数回。
ランクアップしたのか、ステージアップしたのか。
昨今は、欲しいものを提示して自分で買いに行くように。
最近はめっきり楽になりました。
ただ楽になったからといってプレゼントしなければならない事実は変わらないわけであります。
今年の誕生日。
つま 「これが欲しいの」
わたくし「……」
携帯電話の画面を見ると、そこには世の男性の鬼門。水色の悪魔。
頭文字Tのジュエリーが。
脳裏をよぎるブラックな記憶。
付き合いだした頃だったでしょうか。
そのころのわたくし。
ティのジュエリーなど購入できるはずもなく。
首からさげるジュエリーをどこかのデパートで調達。
首から下げるものはしないという新たな発見をし、
購入金額を聞かれたときの返し方を学ぶいい機会に。
そうやって年々成長してきたわたくし。
わたくし「今回はどうします?」
つま 「日曜日、買ってくる」
わたくし「あい。そうして下さい。僕が行ったら見栄で一番大きな石の買ってしまいそうですので」
つま 「……」
次の日の朝。
珍しくちゃんとした朝食。
トーストに卵にソーセージ。コーヒーにパイナップルまで。
普段はトーストで終わりなのに。
つま 「やっぱり……あなた買ってくるか?」
とびっきりのスマイル。朝の挨拶はありません。
わたくし「好きなもの選んで買ってきなさいよ」
つま 「誕生日だし」
わたくし「……」
つま 「誕生日だし」
わたくし「……」
つま 「何とか言え」
わたくし「買おうとしていたのより、一つ大きな石の付いたネックレスを購入してきて下さい」
つま 「おっけー」
おっけーじゃねぇ。
まぁ、言ってくれるだけマシなのか。
勝手に買ってこないだけマシなのか。
でも、結局はふたりで買いに行くことになった今年の誕生日。
つまが手に取ったものより、一つ大きな石のものを店員さんに持ってきてもらいましたが、つまは自分が選んだものを購入。
なぜだ。
購入後。
わたくし「よかったのですか、これで?」
つま 「いいの。それよりあのリング見た?」
おわかりですね。
もうひとつ欲しいものができた模様。
つま 「また来ましょうね、クリスマス」
わたくし「……」
誕生日にティ。
クリスマスにティ。
ちなみにわたくしがもらったプレゼント。
どこかの服。
きっと着ない。
在り処は息子のベットの下。
見つからないことを祈るばかり。