再び台湾へ Part2

5月末に台湾に帰るつま。
ビジネスクラスで帰るつま。
わたくしにはエコノミーで来ればと。
Part1からの続きです。

つづき

つま  「マイル使って、エコノミーで来れば」
カンカンカーン。
ようやと、ゴングが。

めった打ちにされたわたくし。
右目はふさがり、くちびるもあり得ないほど腫れています。
しかし、なぜか自陣コーナーには椅子が用意されています。
そうです。ゴングにすくわれた形になったわたくし。
最終ラウンド突入です。

わたくし「お、お、おまえがビジネスで、な、なんで、俺が、エコノミーなんだっ! おかしいだろ! 帰る理由もねぇだろ!」
つま  「帰る理由はね………ビジネスに乗れるから」
なんてのんきな。
わたくし「お義父さんとお義母さんの誕生日じゃねぇのかよ」
つま  「あっ、それも」
わたくし「ついでかよ」

ここからは試合巧者のつまの一方的な展開へ。
圧倒的にポイントで勝っているので、アウトボクシングに徹しています。
ヒットアンドウェーでこつこつとジャブを繰り出すつま。
笑いながら、パンチを受け続け、相手のこぶしを痛めつける作戦に出るわたくし。
つま  「ビジネス乗りたかったですか?」
わたくし「………いいえ、そうでもないです」
つま  「いっしょに行かないのですか?」
わたくし「………行く理由がありませんから」
ビジネスいいなぁ、と思ったのは確か。
ぶれるわたくし。
でも、吠えてしまった手前、もう、乗りたいとも、行きたいとも言えない、チキンなわたくし。

そして本日の朝。
つま  「やっぱり、いっしょに行きましょうよ」
わたくし「だから、行きませんよ」
つま  「ほら、お父さんといっしょに行きたいよねぇ?」
むすこに聞くつま。テレビに夢中でそれどころではないむすこ。
返事すらしません。
せめて口裏だけでもあわせておけ。

どうやら一発逆転のチャンスが。
ちまちまとボディーを繰り出すわたくし。
わたくし「あんた、二人の子供の面倒をみるの、不安になったんだろう」
つま  「………」
わたくし「泣くむすめに、トイレに行きたいむすこ」
つま  「………」
わたくし「そして、おみやげの詰まった50kの荷物」
つま  「………」
わたくし「ぼくはね、子供を見るための補助要員じゃありませんよ」
つま  「………うっ」

動きが止まったつま。
チャンス到来。
ここで一撃必殺、幻の音速右フックを。
わたくし「まぁ、どうしてもって言うなら………」
つま  「同じ便のエコノミーとるか?」
満面のニヒルな笑顔でカウンター一閃。
罠にかかり、マットに崩れ落ちるわたくし。

カンカンカーン。
ようやと、終わりを告げるゴングが。

勝てる気がしないつまとの試合。
たぶん、今回、台湾へは行きません。
ちょっと、行きたいんですけどね。仕入れも兼ねて。
でも、しばらく、様子を見ることにしたいと思います。

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