再び台湾へ Part3

CorC

わたくし以外の家族の台湾行きが決定したのは、Part1Part2でお伝えしたとおり。
出発まで残りわずかとなりました。
約10日間の疑似独身を楽しめるのか、はたまた。

つま  「とりなさいよ」
わたくし「んー」
つま  「いいからとりなさいよ」
わたくし「んーー」
こんなやりとりが今週になってから続いております。
とるのは、もちろん航空券。
つまの出発日同便は、満席。
チケットはすでにとれません。

つま  「次の便でも、その次の日でも、とりなさいよ」
わたくし「んーーー」
つま  「帰りだけでもいっしょの便にしなさいよ」
わたくし「それもねぇ………」

日々激しさを増すプレッシャー。
陥落寸前なわけです。

先日もお伝えしたように、実はちょっと行きたいのです。
仕入れもありますし、これまでもこれからも、一人では行かせてもらえません。
今年最後のチャンスかもしれません。

勝手に行くという選択肢が脳裏をよぎります。
つまが出発してから、チケットを手配。
かばんひとつだけで浪漫飛行へインザスカイ。
飛行機の中では、CAさんに「チキンorチキン?」と聞かれ、後のほうのチキンを選択。
少し枕をぬらし、眠ることしばし。
再びやってくる『チキンorチキン女』。

CA   「Excuse me.Would you like anything to drink?」
わたくし「………シャ、シャンペンプリーズ」

見事なカタカナ英語。
差し出される紙コップ。
注がれる熱々の香片茶(ジャスミンティー)。
颯爽と去っていく『チキンorチキン女』。
再び、少し枕をぬらし、眠ることしばし。
あっさりと桃園国際空港到着。

空港で台北行きのバス停を探すわたくし。
そこに『チキンorチキン女』が私服姿で通り過ぎます。
おぅ、ビューティフォー。
機上では気づかなかったが、ビューティフォー。
わたくしに気づく『チキンorチキン女』。
なにやら笑顔。
イベント『ロマンス』発生か。
台北行きを告げると、親切にバス停まで。
係員と話す彼女。
係員 「240元」
チケットを受け取り、うながされるまま彼女とバス車中へ。
並んで座るわたくしと『チキンorチキン女』。
発車を待つふたり。この微妙な距離たまらん。
CorC  「Would you like anything to drink?」
わたくし「んーー、台湾ビールプリーズ」
CorC  「OK」
バスを降り、走ってビールを買いに行く彼女。
意外といい娘じゃないか。
そっと外した結婚指輪。

しかし待てども待てども戻ってこないCorC。
無情にも閉まる扉。動き出すバス。
間に合わなかったか。
ビールなんて言ったばかりに。

窓の外を眺め、CorCを想うわたくし。
白の『メルセデスSL65 AMGカブリオレ』がバスと併走。
ふと気づく。
助手席には、先ほど乗り遅れたCorC。
追ってきたのか。
運転席には、襟を立てた白ポロの好青年。
その二人の手はしっかりと握られています。
手を振るCorC。
スピードを上げて去っていくSL65AMG。
雨に濡れる窓。そうじゃない、それはおまえの涙だ。
枕をぬらし、眠ることしばし。

到着したのは、台湾第三の都市『台中』。
生暖かい台中の風。
そっと薬指に結婚指輪を戻します。
つまに電話を。

わたくし「台湾に到着した」
つま  「どこ?」
わたくし「………台中」
つま  「どこですって?」
わたくし「はい、台中です」
つま  「有病啊你(ようびんあにぃ)!」
わたくし「わたしは、有病です、はい。迎えに………」
つま  「神・経・病!」

こんなことになってしまうかもしれないので、躊躇しているわけではありません。
こんなことになってしまうかもしれないので、つまはわたくしを一人にしないのでしょう。

実際には。
到着後は、バスに乗り、台北市内へ。
てきとうにまちを散策し、夜に実家へ。
財布には、旅の心強い味方、masterさんが一枚。
現金は、つまが帰郷中に置いていく『1諭吉』を両替すれば何とかなる。
さぁ、冒険へくりだそう。

つまが出発するまであとわずか。
ちょっと真剣に考えてみます。
駄文長文すいません。

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