妖怪靴えらびが必死に探した靴売りの露天商から200元で買った靴の末路

公然の秘密

靴売りのおじさん。
台湾には路上で靴を専門に売っている方がいます。
その価格、一足、200元ほど。日本円にして680円。

わたくしのつまですが、靴が大好きです。
我が家のW1375×H2500×D350のシューズクローゼットは、つまの靴でいっぱいです。
ブーツからサンダルまであらゆる種類の靴が並んでいます。
もちろん、一度も履いていない靴が多数存在します。

好きだからといって、大手百貨店にでかけて購入しているわけではありません。
つまの場合、台湾で購入します。
それも特定のおじさんから。

そのおじさんは、靴専門。
その奥様は洋服専門。
ご夫婦で路上販売をしています。

つま曰く、「あのおじさん、靴のこと何でも知っているの」とのこと。
靴に関しては、全幅の信頼を置いているおじさんになります。

年に数度しか帰らないわけですから、買う機会も限られます。
ですので、台湾に到着すると、つまは夜な夜なおじさんを捜します。
この捜索劇が、帰国後三日以上続き、おじさんを見つけられないと禁断症状が。

おじさん以外の人、もしくはお店で、250元の靴に手を伸ばしてしまうわけです。
ですが、買いません。

わたくし「なんも、買えばいいじゃない。850円でしょ?」
つま  「このお姉さんね、靴のこと知らない」
わたくし「………値段を知ってて、レジが打てればいいんじゃないの」
つま  「今日の夜、あのおじさん………いる気がする」

そうやって、自分を納得させ、あと一歩のところで踏みとどまるつま。
おそらく、そのおじさんから買うことに意味があるのでしょう。

こんなことが帰国するたびに起きていたわけです。
ですが、今年の五月の帰郷時のとある日。

特に行く当てもなく、つまの言うままに付いていった台北の昼下がり。
だっこひもの中のむすめが、上下にびよんびよんする勢いで突然走りだしたつま。
知らないおっさんに声をかけ、なにやら話しています。
親戚だと思ったので、わたくしも一応挨拶を。
一枚の名刺をもらうつま。

つま  「携帯の番号、ゲットした」
わたくし「お義母さん? それともお義父さんの?」
つま  「違う。ほら、靴を売ってるおじさん」
わたくし「………」
つま  「土曜日、実家の近くに来るって」
なんて偶然、なんて幸運。

しかし、土曜日。
警察の指導で、露天は午後8時頃にすべて撤退。
もちろん、おっさんも撤退。
その日は買えませんでしたが、普段、販売している場所を聞き出していたつま。
帰国前に、無事、おっさんのもとに。
200元で3足の靴を買って日本に帰国したわけです。

さて、毎回帰るたびに3足から5足購入するわけですから、靴が増えるのは当然。
設計段階で大きめにつくったシューズクローゼットもいっぱいになるわけです。

本日朝のこと。
つま  「もう、靴どうしよう?」
なにやらクローゼットから靴を取り出し、履いては戻すを繰り返しています。
そんなに迷うくらいなら、半分くらい捨ててしまえばいいのに、と思いつつも口をつぐみます。
つま  「やっぱり、これ。今日で最後」
ようやと決まった模様。
つま  「………やっぱり、だめだ」
こっそり写真を。
壊れた200元の靴
明らかに壊れています。裂けちゃってます。

わたくし「何回履いた?」
つま  「かなり」
わたくし「仕方ないですね」
つま  「………はい」
しおらしいつま。

そうなのです。
台湾で購入してきた靴ですが、残念なことに損耗率も高く………。
世界各国の軍のトップが聞いたら、真っ青になるくらいの損耗率。
彼女の平均的女性よりも大きな足と、幅の広い足も関係あるのでしょう。

つま  「老公、履く靴がないよ」
わたくし「新しい靴が欲しいって暗に言っているように聞こえますが」
つま  「お義母さんに買いに行ってもらっていい?」

今日の夜あたり、パソコンで台湾のお義母さんに相談する「妖怪靴えらび」を見ることができるのでしょう。
まぁ、すきなものがあるのはいいこと。しばらく様子見です。

ちなみに、わたくし。
持っている靴は、一足だけ。
ボロボロになるとつまがどこからか買ってくる仕組み。
どれも趣味でないのは、公然の秘密
そろそろ自分で買いたいと思う今日この頃。
今日の夜あたり、リビエラのスリッポンかINN-STANTのキャンパスでもおねだりしてみようかと。

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