必ず戻ってくる魔法のブーメラン。
こんな便利アイテムを持っている団体や国もちらほらあるそうですが、普通、投げたものも、打ったものも、失った信頼も、お腹に入ったチョコレートも戻ってこないのは当然のこと。
人生において戻ってこないものは多々あります。
最近、ちょっとおっさんの香りが。
時間は止めることも、戻すこともできません。
先日つまに召し上げられた300元も戻ってきません。
もし、犬を飼っていたら、散歩に出したとたんに、行ったっきり戻ってこないのでしょう。
さて、昨日の夕暮れ時。
むすこの歯医者を終え、かいものに。
少し大きめの公園のそばを車で通りかかりました。
つま 「あの人すごい」
運転中。もちろん公園を見ることはできません。
わたくし「どんな人?」
つま 「テニスしてる人」
わたくし「あっそう」
興味を失うわたくし。テニスをしている人など特に珍しくはありません。
つま 「老公、見て、すごいよ」
わたくし「運転中」
つま 「打ったボールが戻ってきて、また打つの」
当然のことではありませんか。
わたくし「それがテニスのルールです」
つま、スポーツはからきし。
だって、彼女。ピッチャーって何番? などと普通に聞くのだから。
わたくし「テニスやってみたくなった?」
つま 「どうやってやるんだろう?」
わたくし「テニス?」
つま 「違う。勝手に戻ってくるボール」
サイドミラーを確認。ミラーに一瞬映ったおそらく男性であろうプレイヤー。
ひとりでテニスを。
わたくし「あれは、ボールに強烈な回転をかけて地面に着地した瞬間に、戻ってくる技だね」
つま 「真的嗎?(マジで?)」
わたくし「魔神風車固めって技」
つま 「魔神………何?」
わたくし「往年の名選手、スーパーストロングマシーンの決め技」
ドラゴンの「お前! 平田だろ!!」を思い出すわたくし。
つま 「………どうして笑ってる?」
わたくし「いや、平田どうしてるかなぁって思って。マシン最強。ファンだったんだよ」
つま 「わたしのことバカにした?」
わたくし「打ったボールが戻ってくるわけないじゃん。古典物理学でも勉強し直せ」
つま 「神経病(せんじんびん)!」
その後、ゴム紐のついたトレーニング用テニスボールがあることを説明。
納得したつま。
久しぶりに出ました神経病。
平田、まだ現役なのかなぁ。