独特の風習。どこの国にでもあるもの。
理解できたりできなかったり。
来日して十数年。それでもなお知らないことがあるようなのです。
子どもがいると様々な行事が。
先日、運動会が。
昨年は雨に降られ残念ながら途中で中止に。
今年は快晴。それも見事な水無月晴れ。
かけっこでクロスしながら走り抜ける子どもたち。
無情にも白組が圧倒的勝利を収める綱引き。
そして何やら不思議なダンス。
ちなみに、この日の保護者競技。
玉入れだったわけですが。
つまが参加。
もうですね、玉を放り投げている姿。
ココリコ遠藤さんのほほほほーいそのもの。
一人爆笑しながら動画撮影するわたくし。
やりきった感じで、ドリンクとお菓子をもらって戻ってきたつま。
つま 「勝ったよ」
わたくし「そうですね」
つま 「興味持ちなさいよ」
わたくし「……去年と違って、暑いですね」
つま 「そうですね。晴れ女のおかげですね」
わたくし「……」
つまといえば、それはもう週に八日の雨が当たり前の台湾の女性。
会場の誰よりもきっと雲を呼ぶ女に間違いありません。
聞いてみます。
わたくし「晴れ女とは一体誰のことなのでしょうか?」
つま 「?」
わたくし「どちらかと言えば雨女って感じですけど」
つま 「つくったでしょ? 晴れ女?」
話が斜め上の方向へ。
晴れ女を作るってなんだ?
目の前の『晴れ女製造機』をスクラップにしたい気持ちを抑えて、もう少し話を聞いてみます。
わたくし「晴れ女は作れませんよ」
つま 「●●●(子どもの名前)が作ってたの。白いやつ」
日本の子どもたちであれば、その行事の前日に、そのもっと前に、誰もが一度は作ったことがあるであろうアレ。
軒先という名の絞首台に並ぶ、真っ白な法師たち。
ティッシュを大量消費し、翌日の晴天を祈るあの風習。
そうです。
わたくし「それはきっとてるてる坊主かと」
つま 「きっとてる?」
もはや砂嵐のテレビから出てきそうな感じしかシないわけです。
むすめが作って、教室に下げられていたてるてる坊主。
LINEのスタンプでみた同じ形の白い人形。
スタンプの名称には晴れ女と。
なるほど。
いやいやいや。
わたくし「それはですね、晴れ女でも、きっとてるでもなく、てるてる坊主といいます。覚えましょう」
うなだれるつま。
園の先生やお友達に、白い晴れ女を説明していないことを祈ります。
そっと場を離れるわたくし。
しかし逃してはくれないつま。
つま 「さっき雨女って言ったか?」
わたくし「……言いましたね」
つま 「いいね、雨女。農家に大人気」
自分を鼓舞するつま。
こども 「ママ、雨女って妖怪なんだよ」
前向きすぎる台湾人女性をバッサリ切り捨てる子ども。
ふたたびうなだれるつま。
ウォッチ恐るべし。
太陽がまぶしかった今年の運動会。
来年も晴れるといいなぁ。